佐久穂へ!視察の旅
ちょっと遡って、6月19日に佐久穂へ視察に行った時のレポートを。
6月の一般質問で「地域と転入者の繋がり形成のサポート強化」の事例として、佐久穂の集落支援員の制度などについてお話した私。一般質問の準備中に突然お電話で質問したにも関わらずスーパー丁寧に対応してくださり、「これは定例会終わったら佐久穂に行かねば!」と思っていました。富士見への移住検討時点から地域コミュニティについて伝えている、ウツリスムステーション勤務の地域おこし協力隊の方をお誘いしたところ、総務課企画統計係の専任課長も同行してくれました。(一緒に聞いていただけて、本当に感謝です🙇♀️)

人口11,000人弱、イエナプランの大日向小中学校ができ近年移住者が増えているなど、長野県の中でも富士見町と共通点も多い佐久穂町。総合計画のビジョンを「自律し多様なコミュニティが人々のくらしを支え、挑戦や行動を支援するまち」とし、コミュニティを一本の柱としています。多世代の「つながり・信頼」を何よりも大切にする佐久穂の取り組みを教えて頂きました!

はじめは佐久穂町役場産業振興課内に設置される「アンテナさくほ」の協力も得ながら、地域の方々による里山体験を提供していたジーバ共和国。ジーバでプルーン収穫、田植え、みそづくり、アンモナイトの化石発掘体験などを提供していたが、集客が大変だったそう。徐々に近隣の方や移住者希望者など10家族ほどがジーバに畑仕事を教わりながら一緒に花豆や大豆を作り、草刈り後にBBQをするという会に進化。
良い点は↓の通りだが、大々的にそれを打ち出しているわけではない、というのがミソ。
- 地元の人間と外の人間、多世代の交流が生まれる
- ジーバが自分たちの技を出して活躍できる
- 「こういう人がいれば安心」と移住につながっている(お互いお試し期間がある)
- 仲良くなったジーバが空き家(住まい・店舗)を紹介してくれる
- ジーバも参加家族も楽しめてラク
この10年間、月1で行っているジーバたちの作戦会議も楽しみのひとつ。佐久穂は平成17年に旧佐久町と旧八千穂村が合併してできた町ですが、両旧村町の異なる地区出身の方々がジーバ共和国を支えているそう。合併や急速に進む少子高齢化という厳しい現状を受け「なんとかしなきゃいけない」「外の人も来て頑張っているから応援してやろう」という気運がある、とジーバ共和国の仕掛け人、力武文雄さんが教えてくれました。「こういう風に年取りたいな」と思いながら地域の元気なジーバと活動できる取り組み。現在町は畑を貸すなどで支援しています。

地域の活動の担い手不足やコロナ禍でコミュニティ活動が思うように続けられない中、各集落で古くから受け継がれている文化を将来に繋いでいくために総合政策課がスタートしたこの企画。58ある集落を10個のエリアに分けて、地域の方々へのインタビューから集落の成り立ちや暮らしの工夫をまとめています。
こちら、面白いのが聴き手に集落支援員の制度を活用しているところ。しかも、皆さん町外出身の方ばかり。集落支援員は一般的に「地域の実情に詳しく、集落対策の推進に関してノウハウ・知見を有した人材」がなるものとされていますが、そんな完璧な人いない・・・というのが富士見でも悩みです。
- 「地域の人 x 地域の人」よりも「地域の人 x 外の人」など属性の異なる組み合わせの方がおもしろい
- 学ぼうとする人とのコミュニケーションは、「話し手」と「聴き手」両者に新しい価値の発見や気づきをもたらし、両者の行動のきっかけや源泉となる
- 地元や役場の人が聴き手になると要望ばかりになってしまう
だそうですが、なるほど!
聴き手役の3名の方々が同席してくださり色々とお話ししてくださったのですが、「はじめて会った地域の方に娘のように接してもらった」「自分が大事にしているものを大事に思ってくれる人が他にもいる、ということを知ってもらえる大切な活動」という声が印象的でした。「共同体としての集落」についての考えにもハッとさせられました。


きっかけは区長の悩みとして役に対する負担感が多く挙げられたこと。少子高齢化の中で役を現状維持すると一人あたりの負担が増え続けていくことは明らかで、効率化と統廃合の議論は避けては通れないのかもしれません。
そんな中「役の引継ぎの際や、勇気を持った見直しの一歩を踏み出す際に活用してほしい」という願いから、同じく総合政策課からこの冊子は生まれました。「変えるなら、歴史を知った上での感謝や、地域には隠れたヒーローがいることを知ってから変えてほしいから」と語る、企画した副島さんのアツい想いを感じました。
若い世代に役を引き継ぐ際、こういうマニュアルがあるとどんなに助かることか。受け継がれてきたものを大切にしながら、これからの社会に適切な変化も生み出せるのではないでしょうか。
佐久穂への視察の旅、富士見でも参考にしたい「地域コミュニティ」に関する学びがいっぱいで記事に収まりきらないくらいです。また、会話の中で「富士見すごい!」という発見もいくつかあり、7月末に佐久穂の皆さんが富士見に来てくれることに。詳細はまた後日、レポートをお楽しみに!佐久穂のみなさん、本当にありがとうございました😊
