これからの公共施設新設の考え方とは?
8月2日に臨時議会が開かれ、4名反対、5名賛成、欠席1名で富士見小児童クラブのプレハブ2棟新設の設計管理費が可決されました。
この日、私は初めて町の議案に反対しました。既存施設利用や運営体制などについて、児童クラブスタッフや保護者と意見交換をした上で、9月定例会に改めて審議することを願い、臨時議会で急いで審議することに反対、という立場です。
動画からリアルな議会の様子が分かるので、ぜひ見てみてください。
経緯としては、まず2週間前の全協で急遽臨時議会について説明がありました。
Q:なぜプレハブ2棟新設なのか。
A:70名の定員に対し141名の申し込み(登校日97名、長期休暇のみ44名)があり、今年度使用している図工室と集会室は児童クラブ専用ではないので、今あるプレハブに追加2棟、計3棟で150人を収容したい。児童クラブとして利用していない時間は中間教室や子育て支援施設として利用を検討。
では実際に見に行ってみよう!と思い、富士見小を視察&利用している保護者にヒアリングしたところ、児童クラブ指導員、保護者、子ども、複合利用の検討先の誰にも、プレハブ2棟新設が望ましいかの意見聴取を一切していないことがわかりました。お話するなかで、今使っている教室や、旧落合小など既存施設の活用を望む声も多くあることも分かり、「これは、何か急ぎすぎている?」という違和感から、今回の質疑と反対討論に至りました。
そもそも、何年も前から登録者は今の数字に近づいており、今年の3月に町は保護者に「家で子どもを見られる人は児童クラブの利用を控えてください」という通知を出していました。3月に通知を出していたなら6月の定例会の補正予算でなぜ審議できなかったのか。本当はR6年の当初予算に入っているべきの予算。ギリギリまで動かなかったことが、当事者の声を聞かずに判断を急ぐ要因を作ったと感じています。
そして、全国同じ課題ですが富士見町でも人口減少(税収減)と施設・道路・橋の更新のタイミングが重なり今後財政が苦しくなることから、公共施設の延床面積を2056年までに38%減らす目標を立てています(減らさなかった場合2056年までにかかる維持更新費用約555億円)。プレハブ2棟を新規で建てる費用(想定工事費用は明かされず。水回りや空調・断熱も完備するので決して安くないはず)は若い世代の納税負担を増やすこと。そのことに危機感を持ち「できれば既存施設の活用を」と願う保護者が、私がお声を聞いた方の大半でした。国も児童クラブでの「学校施設の徹底的な活用」を促進しており、既存ストック活用に出る補助金ばかりです。
最後に、富士見小の児童クラブの子どもたちはこの夏休み4部屋(プレハブ2部屋、特別教室2部屋)という十分なスペースは確保されているものの、トラブル・クレームが発生しスタッフがやめたい・・・とこぼすような状況。150人を収容できるハコがあっても、その人数をしっかりみれるソフト面が伴っていないと問題は改善されないということは明確です。新設するなら、ソフトの仕組みづくりをしてから望ましいハードを考えた方が効率的なはず。建ってから「こうすればよかった!」では遅いのです。

私が疑問だったのは、「ハコモノさえ建てれば問題は解決する」「教室利用は子どもがかわいそう」「落合小まで親は迎えにいけない」など当事者の声を聞かないで進める町の姿勢。
当事者の声を聞かずに急いで税金投入することが、手厚い子育て支援なのか?
限りある税金で最大限効果が発揮できる投資方法を計画性を持って練ることが、子どもたちの未来にとっても1番望ましい町の姿では?
児童クラブの申し込み増加は全国どこも抱えている課題。子どもたち長く時間を過ごす場所のことです。「できるだけ良い環境」について多角的に対話を重ねる必要があります。それには、町や学校だけでなく、家庭や地域も一緒に考えるべきだと感じています。
皆さんは、どう思いますか?